木造の住宅・店舗の建設時にシロアリ対策を実施することで、後の大きな被害や高額な駆除費用を回避することが可能となります。以下は、建設段階での主なシロアリ対策の方法や注意点についての記事です。
建設時のシロアリ対策
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基礎工事の対策
住宅や建物の基礎工事の際のシロアリ対策は非常に重要です。これは、基礎が建物のシロアリ侵入の主要なルートであるためです。以下、基礎工事時に施すシロアリ対策の詳細について説明します。
物理的バリアの設置
物理的バリアは、シロアリ対策の一つとして非常に効果的であり、特に新築の際には積極的に検討する価値があります。設置の際には、専門家との相談や適切な施工を行うことで、その効果を最大限に引き出すことができます。
- 防蟻シート
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土と基礎の間に特殊なシートを敷くことで、シロアリの侵入経路を遮断します。材料としては、ステンレスや特殊な高密度ポリエチレンが使用されます。
- 防虫網
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外壁と土台に設置する水切りの間に防虫網を設置します。材料は主にステンレスです。
土壌処理
化学的土壌処理は、シロアリの被害を防ぐための一般的な手法としてで採用されています。この方法では、特定の化学薬剤を土壌に注入または散布することで、シロアリの侵入や活動を抑える目的で使用されます。シロアリに対して効果的な薬剤を、基礎を囲む土壌に混ぜ込んだり、散布することで、シロアリが基礎に近づくのを防ぎます。この方法は、長期的な効果が期待される一方、時折、再処理が必要となる場合があります。
- 土壌注入法
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シロアリに対して効果的な薬剤を、基礎を囲む土壌に混ぜ込んだり、散布することで、シロアリが基礎に近づくのを防ぎます。この方法は、長期的な効果が期待される一方、時折、再処理が必要となる場合があります。
- 散布法
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土壌の表面に化学薬剤を散布する方法です。主に基礎周辺や庭などの範囲で実施されます。
物理的バリアは、シロアリ対策の一つとして非常に効果的であり、特に新築の際には必ず取り入れて下さい。
そして、施工者が正しく工事をしているか写真などの記録を残すようにしましょう。
シロアリに強い建材の選択
防蟻・防腐処理木
防蟻・防腐処理木は、特定の薬剤を使用して木材に浸透させることで、シロアリや木材腐朽菌などから木材を保護する目的で処理された木材です。
- 圧力注入法:
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木材を特製のタンクに入れ、真空状態で薬剤を浸透させる方法です。この方法で処理された木は、薬剤が木の内部まで浸透するため、非常に耐久性が高くなります。
- 浸漬法
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木材を薬剤に一定時間浸漬することで、表面に薬剤を染み込ませる方法です。
地面から1mほどの高さの木材には防蟻・防腐処理木を用いましょう。
シロアリ耐性のある木材
- 1位;ヒノキ
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シロアリの予防効果があります。また、耐水性があるので、シロアリが発生しやすい浴室やキッチン、洗面台、トイレなどの湿度が高くなりやすい場所によく使われます。
- 2位;スギ
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シロアリの食害に対して比較的耐性がありますが、ヒノキよりは劣ります。
湿度が高い場所はシロアリが好むので、水回りにはヒノキを使いましょう。
耐水面でも有効です。
設計面での対策
建物や住宅を建設する際、シロアリ対策は土壌処理や建材の選択だけではなく、設計の段階から考慮すべき重要な要素です。以下に、設計面でのシロアリ対策に関する詳細を説明します。
基礎の高さの確保
シロアリは湿った土壌や日陰を好むため、基礎を少し高く設計することが大切です。基礎は、少なくとも地上から15cm〜30cm以上の高さにすることが推奨されます。
高湿度やシロアリが特に活発な地域の場合によっては、50cm以上の基礎の高さが求められることがあります。
通気の確保
通気を良くすることで湿度を下げ、シロアリの生息に適した環境を減少させます。
換気口や通気路の設計には注意が必要で、シロアリの侵入を防ぐためのネットやフィルターを設けることが大切です。
地面に接する部分の工夫
直接土に接する木部を最小限にすることで、シロアリの侵入経路を減少させることができます。木製のテラスやデッキは、地面から間隔をあけて設置するか、コンクリートやタイルなどの非木材を使用して設計することを検討します。
植栽との距離
建物の周辺に木や植栽を植える場合は、建物からの距離を十分に取ることで、シロアリの進入経路を制限します。また、枯れ葉や木材の腐敗を防ぐために、定期的なメンテナンスが必要です。
湿気対策
設計時に水まわり(キッチン、バスルーム、トイレ等)の湿気を考慮し、十分な排水や防水処理を施すことで、湿気を減少させることができます。
建築士などの専門家に相談しながら、計画をしましょう。
まとめ
シロアリは住宅や建物に大きな被害をもたらす可能性があるので、適切な予防策を取ることが重要です。基礎工事の際には、土壌の化学的処理や物理的バリアの設置を行い、シロアリの侵入を阻止します。また、基礎の高さは少なくとも15cm〜30cm以上を確保し、湿度を下げることでシロアリの生息を防ぐように心がけましょう。
建材の選択も対策の一部として考慮すべきです。シロアリに抵抗性を持つ木材や、防蟻・防腐処理を施した木材の使用は効果的です。直接土に触れる木部を極力減少させる設計も、シロアリの侵入を減らす要点となります。
設計面では、通気性を確保することで湿度を下げ、シロアリの好む環境を削減します。建物の周囲の植栽と適切な距離を取ることも重要です。
さらに、シロアリの巣や通路に化学薬剤を注入または散布する化学的土壌処理を行うことで、シロアリの活動を抑制することが可能です。ただし、環境や人体への影響を考慮し、適切な薬剤の選択や施工が必要となります。
そして、シロアリ対策は多角的なアプローチと専門家との連携が求められます。計画段階からの対策を徹底することで、シロアリの被害を効果的に防ぐことができます。
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