家屋のメンテナンスにおいて避けて通れない問題の一つが雨漏りです。気づかぬうちに進行し、大きなダメージをもたらすこともあるこの問題・その原因と対策を徹底解説します。
- 雨漏れの原因
- その解決方法
・一級建築士
・インテリアプランナー
・宅地建物取引士
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結論
天井や壁などから雨漏れが生じていたら、すぐに専門家の意見を求めてください。
そして、雨漏れが発生する前から定期的なメンテナンスと早期発見、早期対策が非常に重要になってきます。
原因1:屋根の劣化
屋根の防水劣化は、時間の経過とともに自然に発生します。天候、紫外線、寒暖の繰り返しによる膨張と収縮など、多くの要素が防水性能を減少させます。劣化した防水層は、雨水の侵入を許してしまうため、屋根からの雨漏りの一因となります。
屋根材や防水層の種類によって違いはあるの?
以下に主な屋根材や防水層の種類を示します。築年数が古い建物は平均寿命の年数など参考するとよいでしょう。
- 瓦屋根
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非常に耐久性が高い材料であり、適切にメンテナンスされていれば数十年から100年以上もの間、持続することがあります。しかし、その寿命は瓦の種類(セラミック、粘土、スレートなど)、気候条件、設置方法、メンテナンスの状況などによって変わります。
- アスファルトシングル屋根
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最も一般的な屋根材料の1つで、平均寿命は約20〜30年です。ただし、これは頻繁なメンテナンスと適切な施工がなされていることが前提です。
- スレート屋根
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スレート(天然石)屋根は最も長持ちする屋根材で、80〜100年以上持つことがあります。
- タイル屋根
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セラミックタイルやコンクリートタイルの屋根も非常に耐久性があり、適切なメンテナンスが行われていれば50〜100年持つことがあります。
- アスファルトルーフィング(施工場所の例:木造住宅の屋根など)
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これは屋根材料として一般的に使用され、同時に一定の防水性を持つものです。アスファルトルーフィングの寿命は一般的に20〜30年程度とされています。
- シート防水(施工場所の例:RC造の屋根など)
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塩ビ防水シートなどのシート状防水材料は、適切に施工され、定期的に点検されている場合、約20〜30年の寿命が見込まれます。
- アスファルト防水(施工場所の例:RC造の屋根、お風呂など)
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これには、アスファルトを溶かした液体を表面に塗布するタイプと、アスファルトを主成分とした防水シートを貼り付けるタイプがあります。アスファルト防水の寿命は施工方法にもよりますが、一般的には15〜20年程度とされています。
- 塗膜防水(施工場所の例:RC造のバルコニーなど)
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材料は液体状で、表面に塗布して使用します。一般的な材料にはウレタン、アクリル、シリコン等があります。塗膜防水の寿命は大体5〜10年程度ですが、これは定期的な点検とメンテナンスが行われていることが前提です。なお、塗り直しを行うことで寿命を延ばすことが可能です。
対策
定期的に屋根のチェックを行い、損傷やズレが見つかった場合はすぐに修理を行います。重大なダメージがある場合は、屋根全体の交換を検討することも必要です。
定期的な目視検査・メンテナンス
一年に最低でも2回(春と秋が理想的)、屋根の視覚的検査を行います。このチェックで、欠けたり裂けたりしたタイルやシングル、落ち葉や枝などのゴミ、苔や藻類の成長など、潜在的な問題を早期に発見することができます。落ち葉、枝、その他のゴミは、水の排出を妨げ、屋根材料を劣化させますので、定期的に除去する必要があります。また、雨樋が詰まると、水が屋根に滞留し、雨漏りや屋根材の劣化を引き起こす可能性があります。雨樋は定期的に清掃し、損傷や詰まりがないか確認します。
部分的な修復
劣化が局所的であれば、その部分だけを修復することが可能です。ただし、これは一時的な解決策であり、将来的に全体的な防水層の更新が必要となる場合があります。
防水層の全面的な張替え
防水劣化が全面に及んでいる場合、もしくは部分的な修復が頻繁に必要となる場合は、防水層を全面的に張替えることを検討するべきです。これにより、一度で長期間の防水性能を確保することができます。
定期的なメンテナンスが必要です。
そして、すでに雨漏れがしている場合は専門家に見てもらいましょう。
原因2:シーリングの劣化
シーリング材料、またはシーリング剤は、建物や屋根の隙間や接合部を密封し、防水性や気密性を提供するために使用されます。しかし、時間とともに、環境条件や材料自体の性質により、これらのシーリング材料は劣化し、その性能が低下することがあります。
特に窓周り、ドア周り、屋根と壁の間、そして屋根のつなぎ目などのシーリングが劣化すると、雨水が侵入する可能性が高くなります。特にシリコンなどの柔軟性を保つ材料は、時間とともに硬化し、ひび割れを起こすことがあります。
対策
定期的にシーリング材の状態を点検し、ひび割れや硬化などの兆候が見られた場合は、速やかに新しい材料で補修または交換します。これにより、雨水の侵入を予防することが可能となります。
定期的な点検
年に1〜2回、シーリング材料の状態を確認します。ひび割れや剥がれ、色の変化などを確認します。
修理と補強
劣化が進行していない場合は、新しいシーリング材料で補強することが可能です。ただし、既存のシーリング材料と新しいシーリング材料が適合することを確認する必要があります。
完全な取り替え
シーリング材料が大きく劣化している場合、またはその劣化が構造的な問題を引き起こしている場合、既存のシーリング材料を完全に取り除き、新しいものに置き換えることが必要です。
特に窓まわりや外壁・屋根のつなぎ目などのシーリングが劣化している場合は水が侵入している可能性が大きいです。
シーリング工事の場合は既存のシーリングの除去後、新しくシーリング材を施工する場合が多いです。
原因3:雨どいの詰まり
雨どいが葉っぱや枝、鳥の巣などで詰まると、水の流れが止まり、その結果、水が溢れ出し、屋根や壁に浸透する可能性があります。
対策
定期的に雨どいの掃除を行い、葉っぱや枝などのゴミを取り除きます。また、雨どい自体の損傷や破損も雨漏りの原因となりうるため、これも同時にチェックします。
葉っぱなどのつまりから漏水をしているケースも多くあります。また、そこから植物が根をはり、防水層を破損させてしまう場合もあります。
原因4:配管からの漏れ
水道管や排水管など、天井を通過する配管からの漏れは、しばしば雨漏れと間違えられることがありますので、注意しましょう!配管の漏れは温度変化により配管が拡大・収縮し、その結果、接続部が緩むか、または管自体が亀裂を生じるため生じます。また、水道管は、給水圧が変化すると漏れる可能性があります。
これらの問題は、配管の適切なメンテナンスと定期的な点検により最小限に抑えることができます。例えば、配管の接続部が緩んでいないか、配管に亀裂や腐食が見られないか等をチェックします。また、不明な水漏れが見つかった場合、雨漏れだけでなく配管からの漏れも考慮に入れ、必要なら専門家に依頼して調査を行うことが重要です。
対策
ここはプロの意見を求めることが重要です。専門家に相談し、必要であれば改修を検討します。
専門家に依頼して調査を行うことが重要です。
まとめ
雨漏りは、一度発生すると修復が困難な場合もあります。定期的なメンテナンスと早期発見、早期対策が非常に重要です。特に自力で対応が難しい場合は、プロの意見を求めることを強くおすすめします。
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