この記事で分かること
- 都市部×分譲マンションは、ローンに管理費・修繕費・駐車場が乗って賃貸と拮抗。金利と駐車場が重い時期は“賃貸優勢”になりがち。
- 郊外×戸建は、ローンの割に広さが取れる分、月々は軽くなりやすい。ただしクルマ・光熱費が膨らむ。
- 決め手はシンプルに**「手取りに対して毎月どれだけ息継ぎできるか」。将来の上振れ(家賃上昇 or 金利上昇)を自分の家計に当ててみて、折れない方を選ぶ
もくじ
ケースで語る:3つの暮らし
1)都心3LDKを選ぶ二人+子1
- 賃貸:駅近で家賃は重い。でも更新月以外は額が読める。まとまった修繕の心配は不要。
- 分譲マンション:ローン額自体は賃貸といい勝負でも、管理+修繕+駐車で毎月2〜5万円上振れ。
- 体感:保育料や習い事で季節変動のある家庭は、毎月のリズムが一定な賃貸のほうが息切れしにくい。マンションはボーナス無し家庭だと地味にきつい月が出る。
2)郊外に小さな戸建を買う四人家族
- 戸建:駐車場代がゼロになり、固定費はローン+税・保険+将来修繕の積立だけ。面積が増えて家事は楽。
- 賃貸:同じ広さを借りると意外に割高。ペット可や駐車場2台でさらに上振れ。
- 体感:車の維持費・光熱費アップはあるが、トータルの“月々”は軽くなりやすい。修繕は毎月の積立にして“見える固定費”に変えるのがコツ。
3)勤務地が変わりやすい
- 賃貸:自由さが価値。家賃が高くても、引っ越しですぐ負担を下げられる。
- 分譲・戸建:資産性は魅力。ただし売買・賃貸化の手間とタイムラグがある。
- 体感:収入変動が読めない働き方なら、まずは賃貸で固定費を変えやすくしておくと精神的に楽。
数字より効く“月々の見極め勘所”
- 駐車場が毎月1〜3万円するエリアでマンションを買うと、そのまま家賃1〜3万円上積みと同じ。クルマ必須なら戸建優位になりやすい。
- マンションの管理+修繕が3万円を超えると、たいてい賃貸と互角〜不利へ。築が進むとさらに上がることもある。
- 変動金利で買うなら、+1%の上振れに耐えられるかを“いまの生活”に当ててみる。耐えられないなら買う時期ではない。
- 賃貸の更新料や家賃改定は見落としがち。更新のある都心は2年に一度ドンと来るので、実質の月々負担は想像より重い。
判断ルール(私のブログ基準)
- 今の手取りから、毎月あと何万円引かれても普通に暮らせるかを素直に書き出す。
- その“余白”が、
- 都市部マンションなら5万円以上残るなら購入検討ライン。
- 郊外戸建なら7万円以上残ればかなりラク。
- 次の5年を仮想して、
- 賃貸は家賃が毎年1〜2%上がる想定、
- 持ち家は金利+1%・修繕費じわ上げ想定、
を自分の家計に当てる。余白が消えない方が正解。
※ここでの「5万・7万」はあくまで家計の息継ぎ感覚の目安。共働きか、子の年齢、車の台数で増減させてください。
よくある勘違いを先回りで潰す
- 「ローン返済=月々負担」ではない。 マンションは管理・修繕・駐車、戸建は将来修繕の月積立が本体。
- 「買えば固定費が安定」は半分正解。 修繕・税・保険はじわっと変わる。賃貸も同じく家賃はじわ上がり。どちらも「完全固定」ではない。
- 「買い時は金利次第」も半分正解。 実は駐車場と管理修繕の水準が同じくらい効く。
こう動くと失敗しにくい
- マンション検討なら、管理組合の資料で“直近の修繕積立見直し予定”を確認。将来の上げ幅が分からないなら、その物件は“月々不透明”。
- 戸建なら、引渡し時に修繕の年表(外壁・屋根・給湯器・設備)を作って、毎月積立額を先に決める。
- どちらも、駐車場は先に確保価格を見に行く。机上の比較が一気に現実になる。
まとめ
- 毎月の余白を圧迫する犯人は、マンションなら管理+修繕+駐車、戸建なら先送りした修繕。
- 都心の利便性が命なら、賃貸で身軽さを担保しつつ、相場が合う時期に買う。
- 生活面積と家事ラクが命なら、郊外の小さめ戸建で月々を軽くして暮らしの質を上げる。
- 最後は数字ではなく**“息切れしない生活”**が続けられる方を選ぶべし。

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